ピックアップニュース 2007


武田産業、雙龍ジャパン、ハチスカ、トップ共同で新会社を設立
1年後の経営統合目指し、商品企画、物流拡充 (07 9/20)

ーエンドウ商事、サギサカの対抗企業誕生かー
 8月の最終週、1枚のファックスが流れてきた。9月1日(土)、千葉県野田市の武田産業?関東支店で記者会見するのでぜひ来社頂きたいという旨だ。武田産業は、北海道の地方卸として業販店、量販店の両ルートに商材を供給してきた。昨今はホーマックとの関係を強化し、ホーマックの東北、関東への進出とともに勢力を拡大してきた。その武田産業を中心に新しい動きが始まる。
弊社号外や週刊サイクルビジネスで既に報じたように、武田産業(株)(武田雅裕社長)、(株)雙龍ジャパン(鎭學社長)、(株)ハチスカ(蜂須賀正浩社長)、(株)トップ(犬塚邦彦社長)の4社は共同出資による新会社JBN(株)(JAPAN BICYCLE NETWORK)を設立した。
 業界を問わずM&Aや合従連衡が日常化している昨今、自転車業界でもこうした動きがあっても一向に不思議ではない。むしろそうした動きが起こらないことが不思議なくらいだ。昨年、丸石サイクルが天津富士逹の傘下に収まったが、今後はさらにダイナミックな動きがあってしかるべきだ。
 今回の共同出資会社は、商品企画を基軸に、物流機能とサービス態勢の充実を図り、日本全国に均一なサービスの提供を目指すという。さらに顧客の支持を獲得すべく商品力、企画力、販売力、品質・コスト管理を強化する。各社が持つ個性を有機的に活かし合い結集しようというわけだ。そして、1年後をメドに経営統合を目標に掲げる。同社の代表取締役に就いた武田産業の武田英世取締役専務は「自転車業界を取り巻く環境が一層厳しくなる中、生き残りをかけて4社が結集した。経営統合に向けてインフラの整備などを積極的に進めていく。JBNブランドの完成車の開発や中国での生産メーカーの選定は、今後社内の分科会の中で議論しながら決定していく」と語った。
こうした動きの背景には、量販卸として大きな力を持つ完成車中心のエンドウ商事、パーツ中心のサギサカなどに対抗していくのは、もはや難しいと判断したからだ。4社が協調することで、販売網の拡大、デリバリーの効率化、納入口座の多角化、生産工場の確保などの数々のメリットが生まれてくる。原材料費の高騰や人民元高、増値税還付率引き下げなど苦境に立つ業界で、こうした動きが出てくるのは当然だろう。

ー出資金各社100万円で何ができるかー
 しかし、この共同事業における懸案もいくつかある。まず、西日本でのネットワークだ。武田産業はDCMジャパンのホーマックやカーマには圧倒的な強みを見せ、東日本は概ねカバーできるだろう。しかし、中国、四国、九州については不安が残る。この共同事業について、以前から武田産業と深い繋がりがある岡山の㈱島村商会(島村忍社長)も参加するという憶測もあった。しかし、蓋を開けてみれば同社の名前はない。中国四国が本拠のダイキに強い島村商会がここに参加していればさらにネットワークが強化されていたはずなのだが…。もちろん島村商会が納品代行をする可能性はあるだろう。しかし、JBNに参加しないとなると当然一線を画す部分は出てくるはず。また、完成車の生産についてはどうか。現状では各社バラバラだ。武田産業は天津の富士達や捷馬、雙龍は自社工場である深の亜輪や台湾系の永祺、ハチスカは上海に自社工場を持つ。しかし、最近になって幾つかの急展開が見られる。まず、天津富士達での生産を増やしていた武田産業が今度は少しずつ減らし始めているようなのだ。また、亜輪が天津に移転するという噂もある。韓国系の雙龍はJEEPブランド車などを通じ捷馬との関係は深く、天津には韓国系市民も多いこともあり、もともと縁は深い。さらに上海蜂須賀という現地工場を持つハチスカ。人件費などの固定経費が最も厳しい上に従業員の定着率が悪いと言われる上海での生産は相当厳しい局面にある。こうした様々な事情を抱える各社が統合できるのか。
 この4社の合体について穿った見方を取る筋もある。「これは武田産業が仕掛ける吸収合併だ。ハチスカが持つ上海工場・岡崎の流通拠点・トイザらスの口座、雙龍の各ブランド車と韓国や中国とのネットワーク、トップが持つパーツのノウハウを一挙に手に入れてしまう。存続会社として残るのは武田産業だ」と。
また、業界関係者からは以下のような声も聞かれる。「経営統合はまだかなり先だろう。各社出資金が100万円で資本金400万円では何も出来ない。まだ本気とは思えない」「出資金が100万円なのは、お互いが手探り状態だから。そう簡単に統合できるとは思えない」「出資金が100万円なのは、いつでも取り止めることが出来るから。失敗したとしても100万円の損害で済むということ」。かなり厳しい見方をする業界人も多い。
 しかし、前述したようにこうした合従連衡はもはや自転車業界においても必然の動きだ。大型量販店という巨艦との取り引きを円滑に行なうには、ある程度のスケールは不可欠だろう。ただ指を銜えていても何も生まれない。行動する者のみがダイナミズムを引き起こすことが出来るのだ。現時点では、静観する関係者が多いが、この1年間にJBNがどのような変貌を遂げるのか大いに注目したい。


JBN設立の記者会見に出席した4社の首脳陣

 JBN概要
社 名:
JBN(株)(JAPAN BICYCLE NETWORK)
所在地:
千葉県野田市中野台530―1
TEL:
04―7126―5117
FAX:
04―7126―5118
代表者:
代表取締役社長(経営戦略担当)=武田産業・武田英世取締役専務
その他役員:
取締役(営業戦略・物流担当)=雙龍ジャパン・金永浩常務、取締役(自転車担当)=ハチスカ・蜂須賀正浩代表取締役社長、監査役(総務・管理、コンプライアンス担当)=トップ・犬塚邦彦代表取締役社長、執行役員(サイクルパーツ担当)=トップ・高橋義行専務取締役
各部門担当者:
ブランド車担当=雙龍ジャパン・小松聖房自転車チーム長、小径・スポーツ車担当=武田産業・加藤直樹営業本部長、一般車・子供車担当=ハチスカ・小西好和関東営業所長
今回共同出資を実施した4社の概要:
■武田産業(株)/本社:北海道札幌市、資本金:8000万円、売上高:31億5000万円、主要営業品目:自転車■(株)雙龍ジャパン/本社:東京都港区、資本金:1億円、売上高:15億6000万円(自転車)、主要営業品目:ブランド車■(株)ハチスカ/本社:愛知県岡崎市、資本金:4000万円、売上高:15億3000万円、主要営業品目:自転車・パーツ■(株)トップ/本社:神奈川県川崎市、資本金:2000万円、売上高:7億6000万円、主要営業品目:サイクルパーツ


中国が増値税還付率を変更、自転車は9%に
7月1日から実施、ゴム製タイヤ等は5%に (07 6/20)

 6月19日、中国(商務省、国家税務総局、財政部など)は、国務院の批准を受けて、一部商品の増値税輸出還付率引下げを公布し7月1日より実施すると発表した。
多くの自転車関連商品は13%から9%に引下げられ、実質的に増税となる。9%になるのは、完成車、電動自転車、フレーム、フォーク、リム、スポーク、ハブ、フリーホイール、ブレーキ、サドル、ペダル、ギヤクランク、アクセサリーなど。一方、ゴム製タイヤ・チューブ、チェーンについては13%から5%と大幅に引下げられることになった。
 中国増値税還付率の動きについては、昨年9月に税率改定があり、この時は自転車の税率は13%のままであった。
 今回の税率改定品目は、2831品目で関税対象品目の37%を占める。還付率が引下げとなるのは自転車関連以外では、オートバイ、ミシン、ゴルフカート、雪上車、家具、玩具など2268品目。また還付取消になるのがセメント、液化天然ガスなど553品目、免税扱いとなるのが落花生、油絵、郵便切手など10品目。
 今回の増値税還付率の変更について、ある日本の製造卸のトップは「すべての自転車メーカーにとって頭の痛い問題だが、自転車だけではなくすべての商材の価格に影響を及ぼすはず。全消費財のマーケット動向を見定めながら、策を講じていくことが重要」と語っている。

丸石サイクル、新社長にOlympic前顧問片岡氏
親会社・天津富士達の強い意向を受けて就任 (07 2/3)


■片岡良雄(かたおかよしお)氏略歴
1940年10月15日生まれ。法政大学経済学部卒。
イトーヨーカドーの初代自転車バイヤーとして活躍、その後、ホダカ、サギサカ、オークス、Olympicを経て丸石サイクル社長に就任。日中の完成車、部品メーカー、流通ルートに幅広い人脈を持つ。

(株)丸石サイクルでは、1月23日開催の株主総会並びに2月2日開催の取締役会において、新役員が専任され、それぞれ就任した。新社長には、親会社である天津富士達電動車からの強い要請を受けて、(株)Olympic前顧問の片岡良雄氏が就任。また、新任の取締役には、星 和広氏とシン金生氏が就いた。星氏はかつてホダカ、サギサカに在籍し、片岡氏とともに量販の販路を開拓してきた実績を持つ。昨年の12月までは中国の完成車メーカー力覇皇の日本法人の代表を務めていたが、片岡社長の要請によって丸石サイクルの量販営業の責任者として取締役に抜擢された。シン金生氏は、丸石サイクルの親会社である天津富士達電動車有限公司の総経理。
前社長の多田羅哲也氏は総務担当の取締役に、また荒井通好氏は引続き業販営業の責任者として取締役に。渡辺義明監査役も留任する。なお、米山美喜男氏は取締役を退任し、品質管理担当部長に就任した。



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