月刊サイクルビジネス
今年の1月1日、新社長に就任したのが(株)ブリヂストンで海外営業を中心に活躍してきた佐藤慎一氏。昨年9月からブリヂストンサイクル(株)に社長付きで派遣され ているが、指揮を執るのは今年からということになる。「ポジティブシンキング」が信条という佐藤新社長がどんなビジョンでどう舵取りをしていくのか、業界の耳目が集まるのは言うまでもない。
(株)シマノ(島野容三社長)は平成26年12月期連結業績を発表。
売上高は3331億6800万円(前年同期比22.9%増)、当期純利益は512億3700万円(同46.0%増)。史上最高の売上高2710億円を達成した昨年を遥かに上回る、空前の好業績になった。世界の自転車産業界を見ても、完成車メーカーのジャイアントやアクセルグループを凌 ぐナンバー1企業といえよう。成長著しい中国市場においてもスポーツ車需要が増加すれば、その部品において圧倒的なシェアを誇る同社の販売高も伸長する。ただ、世界的に拡大する電動アシスト車市場において、同社がアドバンテージを得ている分野は小さく、それが同社の課題といえそうだ。
シナネン(株)(﨑村忠士社長)は2014年10月に持株会社体制に移行することを発表したが、それに伴い自転車の販売事業を行なってきた同社物資部と同社の100%連結子会社である青葉自転車販売 (株)(川村剛彦社長)が統合、シナネンサイクル(株)という新会社が4月1日に誕生する。同社の社長には増田哲彦・シナネン常務取締役・グローバル事業本部長が就任予定。また、本社は東京都港区海岸1-4-24。卸部門は東京、小売部門(ダイシャリン)は仙台で主要業務を実施、シナネン薬師寺慎二郎物資部長、及び青葉自転車販売川村社長も取締役に就く予定だ。
シナネンサイクルは、売上高40億円(卸部門18億円、小売部門22億円)の企業としてスタートする。小売店ダイシャリンの店舗拡大と同時に卸事業の拡充が当面の課題となりそうだ。
2014年の近畿地方の自転車業界は、3月までは消費増税前の駆け込み需要があり好調、後半は反動もあったものの年間を通してみれば売上高増という企業が多い。ただし、為替の急激な変化で売上に見合った利益を挙げるのは難しかったようだ。今年も消費不況は続き、為替も予想がつかない。市場には不透明感が漂うが、同エリアの地力のある企業は前向きな姿勢を貫いている。顧客ニーズが多様化する中、どう利益を生み出すかが大きな課題といえそうだ。