月刊サイクルビジネス
昨年は予想を遥かに上回るスピードで円安が一気に進んだ。今や1ドル=120円台が定着、ほぼ95%を輸入に頼る自転車業界が厳しい状況に陥るのは言うまでもない。しかし、来たるべく高齢化社会において、エコ、健康志向に大きく寄与する自転車の価値はますます高まっている。この流れをどう業界の発展に活かしていくのか、今年はまさに正念場になるかもしれない。 2015年、主な企業の動向を探る。
1月9日、東京都千代田区の帝国ホテル「光の間」において平成27年自転車業界年賀交換会が開催され、業界関係者200名が来場した。
冒頭に渡辺恵次理事長が登壇し挨拶。
「2014年は急激な円安によって輸入依存度が高い自転車業界は大変厳しい状況に。1~11月の財務省の貿易統計によ れば、台数ベースで前年比98%、金額ベースで同107%。自転車協会調べの出荷台数でも前年比98%。為替レートが大幅に円安に傾く中、その分を価格に十分に転嫁できておらず、利益が減少しているのが実情。BAAに関しては昨年に引き続き松岡修造氏をメインキャラクターにテレビCMを展開。SBAAマークについては昨年よりSBAAプラスはメンテナンスマークに変更。修理の重要性も訴求していく。業界は厳しい逆風に見舞われているが、こういう時こそ業界一丸となって、安全・安心に楽しめる自転車を供給していきたい」と語った。
中国当局は、日本の消費税に当たる増値税の還付率を改訂。自転車及び電動自転車が15%から17%に引き上げられた。1月1日から実施している。自転車関連の新しい還付率は以下のとおり。
リフレクター(13%→13%)、ゴム製空気タイヤ(13%→13%)、ゴム製のインナーチューブ(13%→13%)、樹脂製バスケット(15%→15%)、鋼鉄製バスケット(9%→9%)、サイクリングウェア(16%→17%)、シューズ(15%→15%)、自転車用ローラーチェーン(9%→13%)、固定型及びチェーンロック(9%→9%)、自転車用照明(17%→17%)、電動自転車・スポーツ競技用自転車・マウンテンバイク・クロスカントリーバイク(15%→17%)
昨年までミズタニ自転車(株)(中根誠社長)が販売してきた18インチフォールディングバイクのBD-1を今年から(株)カドワキカラーワークス、(有)カドワキコーティング(門脇正樹社長)が運営するパシフィックサイクルジャパン事業部が販売する。BD-1(Birdy)は、ドイツのハイコ・ミューラーとマーカス・リーズが開発した、独創的な折畳み機構を持つフォールディングバイクだが、アジアでの販売権については、同機種の製造会社である台湾の太平洋自行車(股)公司(=PACIFIC ジョージ・リン董事長)が持つ。これまで日本の販売については、ミズタニ自転車に委ねてきたが、かねてより太平洋自行車とパウダーコーティングに関する技術を共有する等同社と長い間信頼関係を築いてきたカドワキコーティングに移管することになった。台湾の有力ミニベロ販売店ジェスラーの5周年記念モデルでも、塗装はカドワキコーティングが担当していた。