月刊サイクルビジネス
国内市場における量販卸の雄として強い影響力を持つサギサカ。自転車関連用品においては他社の追随を許さない。ただ今年は消費税増税が実施されたこともあって先行きに不透明感が漂う。就任7年目を迎えた匂坂慎祐社長に現状と今後の見通しを伺った。
この2~3ヶ月の自転車業界の市場動向はあまりよくない。特に、集中豪雨や台風に見舞われたエリアは厳しい。「週末に限って悪天候だった」と落胆する販売関 係者も多い。だが、そういう中でも比較的堅調な販売実績を残しているのは子供乗せ自転車だ。特に首都圏の売れ行きは安定している。東京・神奈川・埼玉・千 葉を中心に展開する小売店や販売会社の関係者は「3月までの駆け込み需要の後は比較的落ち着きを見せているが、それでも電動車の中で売れるのは子供乗せ自 転車」とほぼ異口同音だ。
今年8月、広島市安佐北区、安佐南区を中心に襲った集中豪雨は想像を絶する土石流をひき起こし70名以上が犠牲となる大災害となった。自転車業界でも関連施 設や幾つかの販売店が床上浸水等の被害を受けた。今夏、西日本の気象は異常事態が続き、日照時間は例年の約半分というエリアも多い。自転車市況もこうした 影響を受けないはずはない。中国地方の最新状況を報告する。
「自転車にも『車検』のようなしくみを」。そんな声を反映して新たな動きがスポーツバイクから始まるかもしれない。
(一社)自転車協会(渡辺恵次理事長)は、10月1日からスポーツBAA(SBAA)の一部を改正する。その説明会を特別賛助会員を対象に、大阪(9月3日)、東京(9月4日、10日)、名古屋(9月11日)で開催。合計約90名が出席した。
SBAA制度は、スポーツ車の品質や安全性を担保する業界の自主基準として8年に亘って展開。また、SBAA認定された自転車を販売店がきちんと整備した証としてSBAA PLUSマークを貼付するという製販一体の仕組みを構築してきた。
健康、エコ志向の定着でスポーツバイクを楽しむ層が着実に拡大している一方で、整備不良が原因の事故も少なからず起こっている。また、SBAA制度が模範としてきたEN規格(欧州統一規格)が、来年7月からISO規格に変更する状況も鑑みて、日本のSBAA制度も一部変更することとなった。