月刊サイクルビジネス
昨年に比較して明らかに盛況だったインターバイク。夏前には在庫が正常化し、回復基調は鮮明だ。ただ米国経済全体は相変らず不透明。そうした中で、健康、エコを追い風に都市需要喚起に注力する各メーカーに現状や今後の見通しを聞いた。
試乗ができるエンドユーザー向けの自転車イベント、サイクルモードインターナショナル2010が、11月5〜7日に東京会場(幕張メッセ)で、13、14日に大阪会場(インテックス大阪)で盛大に開催された。東京会場3日間の入場者数は3万7166人(前年比98.8%)、大阪会場2日間の入場者数は2万2969人(前年比94.6%)。5日間で6万0135人(前年比97.2%)。昨年よりやや減少したとは言え、会場は熱気に包まれ、業界関係者も多忙な日々を過ごしたことは間違いない。
電動車の新モデルを披露したパナソニックサイクルテック、パーツ卸として安定したビジネスを展開するサギサカ、カナダから初上陸のOPUSを展開するオーアンドエム、グループ4社を含み約30社が出展したJBN、ウェアブランドMOA、パーツアクセサリーのCYCLE PROなどに注力する岩井商会、新たなブランドとしてFERRARIを初披露したGIC等の展示会を紹介。
千葉県で業販店の卸業を営む某社の関係者は次のように嘆く。「今年は本当に自転車が売れない。特に地域密着型の専門店は厳しい。もともと量販市場が強い千葉だが、最近ではイオン、あさひ、セオサイクルの三つ巴の様相だ。ただでさえ縮小傾向にある全体のパイをこの3強が奪い合うわけで、小さな店舗はますます劣勢に立たされる。ただ、最近のイオンは、あさひの品揃えに限りなく似てきており、あまり差別化できていないようだ」。つい1、2年前までは、高額なスポーツ車が売上を伸ばしていたが、こうした傾向は収束。さらにエントリー層向けの機種も厳しい過当競争で、売上を大きく落とすブランドも出てきている。そういう中で量販市場が強い千葉では、大手量販も試行錯誤を繰り返しているようだ。